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 小学生の頃に4年ほど名古屋市に住んでいたことがあり、盆と正月には岐阜県海津郡にある母の実家に行った。いくつもの交通機関を継ぎながら辿りつくって感じで、乗り継いだ電車の中で、既に暗くなった車窓に過ぎる遠い疎らな灯り、終着駅まで各駅停車を繰り返す電車のドアが開く度に、無人駅のシンとした空気の中から物の怪が入りこむような感触に、恐れながらもワクワクもしていたのを思い出します。
 私自身は滅多に電車を利用することがなく、利用する時は非常に新鮮な気持ちになります。ある博多での会合と懇親会の帰り、最終の急行に乗り遅れて普通の終電に乗り、その車内で仕事帰りの少しこわばった面持ちの青年を見ながら、歌うたいは彼のおかれた状況を妄想しながらエールすら送ります。電車が駅に停まり、開かれたドアから流れ来る一日を鎮める優しい夜の空気は、けしてあの頃に期待した物の怪ではなく、いや、昨今の物の怪は「妖怪ウォッチ」のようにコミュカルに優しくなったようですのでウエルカムかもしれませんね。
 最後のところ「とかしながら」と平仮名にしました。夜風に溶かすのか、解かすのか、説かすのか、、日本語の不思議な魅力と思うんですよね。
 
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【追記】
2018年05月、ジャズギターを手にしたところでナイロンからスチール弦な歌をソロ活動に入れた。「若者と仕事」3部作のこの曲は、自分が歌うには難しい部分があったのでメロの入れ替えを行った。
新しいメロはストロークにも合って、歌いやすく力強く歌えるのがいいです。
『電車が駅に停まるとき』
作詞作曲編曲唄:Rossy

誰かの溜息を揺らして電車は
街を離れて闇の中を走る

窓に映っている 自分を眺めた ぼんやりと

今日の仕事は失敗ばかりで
運もツキもないさとホロスコープに自分を探す
女の子みたいと 苦笑いして その気さ

どこにも逃げられずに 向かうしかない明日
電車は駅に停まる度に

ちょっといい風 運んでくれるのさ

あいつはどうしてる上手くやっているかな
世渡りがうまいと仲間内で云っていた
学生の頃に 戻りたいなんて 思わない

明日もこの電車で 向かう俺は戦士さ
ライフを失しなわないように

ちょっといい風 運んで欲しいのさ

電車はマイペースに 走ったり止まったり
そんな調子で生きてゆこう

溜息を 夜風にとかしながら

2018/05 メロの入れ替えによる調整
 
『電車が駅に停まるとき』
作詞作曲編曲唄:Rossy

誰かの溜息を 揺らして電車は
街を離れて 闇の中を走ってゆく
窓に映った 自分を眺めた ぼんやりと

今日の仕事は なぜか失敗ばかりで
運もツキもありはしないと
ホロスコープに自分を探す
女の子みたいと 苦笑いをして その気さ

どこにも逃げられずに 向かうしかない明日
電車は駅に停まる度に
ちょっといい風 運んでくれるのさ

あいつはどうかな 上手くやってるかな
世渡りがうまいと 仲間内では云われてた
学生の頃に 戻りたいなんて 思わない

明日もこの電車で 向かう俺は戦士さ
ライフを失しなわないように
ちょっといい風 運んで欲しいのさ

電車はマイペースに 走ったり止まったり
そんな調子で生きてゆこう
溜息を夜風にとかしながら
 
2014/06
 
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