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 彼女がついた些細な嘘、その嘘を膨らませ過ぎるという悲劇。嘘が些細であれば些細であるほど嘘をつく理由が見当たらず、それで妄想はいけない域を超えて猜疑心は深まり、ついには二人の関係は終わりを告げる。
 想像を膨らませ過ぎると大事なものを壊してしまうこともありますよね。私にもそんな(クライシスな)覚えが少しあります。
 
 鉄橋を渡る間の心の動きで表してみたかった。鉄橋は好きなモチーフです。私の自宅を10km程南に行けば九州最大級の筑後川が流れていて、河川敷で釣り人をみながら列車が通り過ぎるのを観るのもまた好きですが、河川敷のゴルフ場でボールを川に落とすのは嫌いです。
 
『鉄橋』
作詞作曲編曲 : rossy
 
満員電車は
河を渡り始めて
ガタゴトと 音を立てて
僕を揺らすんだ
 
頼りなく身体を
凭れて眺めていた
暗くなった 川面からは
明日なんて見えない
 
君の小さな嘘を
膨らませた僕は
多分世界中一の
とんでもない間抜けさ
消えていったその背中に
並んでた言葉
気付いても戻れないよ
ごめんねと 呟いてみても
 
何気ない仕草や
癖だと思うことを
思い出して 数えてみて
繋ぎ合わせたんだ
 
瞼を閉じたら
笑いかけてきんだ
涙なんて流せないよ
泣かせたのは僕だから
 
バックを抱え直して
空けた左手に
きみの細い指先が
ちょっとだけかかってた
届かなくなったメールが
夜空に舞ってる
気付くのが遅すぎたんだ
ごめんねと もう一度言うよ
 
君の小さな嘘を
膨らませた僕は
多分世界中一の
とんでもない間抜けさ
電車は河を渡って
過ぎる町の灯に
温もりを探してみる
さよならと 呟いた後
 
2012/09
 
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