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 2017年5月の連休は4泊5日の日程で一人旅をした。その最終日に毎年「SAY-JAM」というアマチュアのライブイベントが開催される福岡県うきは市「藤波ダム公園」に寄った。
 
 旅は全行程が車泊でギターも積んでいた。目覚めの早い朝に東屋で、観光と入浴を終えた夜は、寝るまでギターを鳴らしながらサンプルを録り、街灯の灯りの下で散文を書き、ちびりちびりと地元の美味しいを肴に酒を飲んだ。ワゴンならではの車泊一人旅の帰宅前のお片付けも兼ねてここに寄った。片付けをしながら、穏やかな日差しのまるで時が止まったような午後、夜は静かと思うだろうが、こんな午後の方がいっそう静かに思える。そんな中で聞いたヒバリの声、谷の先に見える筑後平野の田園、風の吹き具合と日差しの暖かさが丁度よく、ふと懐かしい気分の中で私が描いたストーリーが書き留められてこの歌詞になった。
 この歌詞に出てくる高村光太郎の智恵子抄、実はどこでどう間違えたのか原文では与謝野晶子になっていて、推敲をした May からの柔らかなツッコミで気付いたという笑い話付きです。
 2017/11に記事を上げた時、「和音進行を単純にしたフォーク系のメロにのせて語るように歌える作品にしようかと思っています。」と記したように2019/01、フォーク調のメロが付きました。
update:2019/01/28
『帰郷』(ヒバリよ鳴け)
 
貸したままで忘れていた 本はしおりもそのままに
整理してたら出てきたと ありがとうの手紙付き
裏表紙の内側に 万年筆で記した
若い筆跡の名前 イラストまで描かれてた
 
いつか空を見上げながら 夢や愛とか死について
お互いの気持ちぶつけた 河原を思い出したよ 
今になって振り返ると あの時語り合えたこと
大切にしていたんだ それで生きてもゆけたよ
ヒバリよ鳴け、声高らかに、静まり返った午後に
姿探す 澄んだ青空 少し眩暈な気分で
見つけたんだ 飛行雲の 隣にいたキミを
 
智恵子が無いと云っていた 空の下に家を建てた
戻らぬ故郷の空を いつか忘れていたんだ
同窓会の葉書も マドンナの誘いですら
仕事を言いわけにして 顔を出さずにいたんだ
街には溢れかえる程 色んなものがあったから
正直に言ってしまおう 田舎は嫌いだったのさ
先の見える歳になり 子供も手を離れたら
整理したあいつのこと 良くわかる気がしている
 
ヒバリよ鳴け、この空の色、確かに街には無くて
あどけないと、いった話が、心に響き渡った
見失った ヒバリの姿 もう一度探すよ
 
2017/05/25・初作
2019/01/28・メロのせで一部変更
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